穀類

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穀類

「収穫量が安定している」「長期保存できる」「簡単に調理できる」ことから、古くから世界各国で栽培されてきた穀類。
米・小麦・とうもろこしは“世界三大穀物”とされる。その他、大麦・えんばく・ライ麦・あわ・ひえ・きび・そば等がある。

イネ科。でん粉の特性によって「うるち米」と「もち米」に分けられる。
植物学上の分類では、おもに温帯で栽培される短粒のジャポニカ種と、おもに熱帯・亜熱帯で栽培される長粒のインディカ種に分けられる。日本で作られているのは、ジャポニカ種で、現在約300種が栽培されている(2024年3月現在)

玄米
玄米
もみがらを取り除いた米粒。胚芽・ぬか層が残っているため、ほんのりベージュ色をしている。
精白米

玄米から胚芽やぬか層等を取り除いたもの。

うるち米
でん粉のうち、ぶどう糖が枝分かれ状につながっていて粘りがでやすいアミロペクチンが約80%、ぶどう糖が直鎖状につながっていて粘りが少ないアミロースが約20%の割合で含まれ、ほどよい粘り気がある。主に炊飯して食べる他、上新粉や米粉等の原料になる。
もち米
でん粉の全量が粘りがでやすいアミロペクチンのため、炊くと強い粘りが出る。おこわ・赤飯・もち・あられ・白玉粉の原料になる。
インディカ米
アミロースの含有量が約25%と多いため、炊いても硬くて粘り気が少なく、米粒どうしがひっつきにくい。ピラフ・リゾット・チャーハンなどに向いている。細長い粒で、中国南部・インド・東南アジアで多く栽培され、世界で栽培される米の約8割を占める。

小麦・小麦粉

小麦
小麦
イネ科。世界で最も生産量が多い穀物。
【種類】粒の硬さによって「軟質小麦」「中間質小麦」「硬質小麦」に大別される。軟質小麦からはグルテン形成量が低い粉(薄力粉)が、硬質小麦からはグルテン形成量が高い粉(強力粉)がとれる。  
小麦粉

別名:うどん粉、メリケン粉。
小麦のふすま(果皮・種皮・糊粉層)をのぞいて、胚乳部分を粉にしたもの。
でん粉とタンパク質のグルテンからなる。
【栄養成分】小麦ふすま(ブラン)は脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミン、食物繊維が豊富に含まれ、健康食品として利用される。

薄力粉
たんぱく質は約8~9%と少なく、グルテンの性質が弱い(=粘力が弱い)ため、お菓子や天ぷらの粉に適する。
中力粉
薄力粉と強力粉の中間の性質を持ち、たんぱく質は約9~10%。
うどん、そうめん等のめん用に適する。
強力粉
たんぱく質が約12%と多く、グルテンの性質が強い(=粘力が強い)ため、パンやパスタに適する。
全粒粉
表皮も胚芽も含めて小麦を丸ごと粉にしたもの。
パン、麺、天ぷらの衣、ケーキ、クッキー等にする。
ホットケーキ用(ホットケーキミックス)
薄力粉、砂糖、ぶどう糖、ベーキングパウダー、コーンフラワー、脱脂粉乳、全卵粉末、ショートニング、食塩等が原料。
から揚げ用(から揚げ粉)
薄力粉、片栗粉、ベーキングパウダー、油脂、糖類、粉乳、塩、調味料、香辛料等が原材料。
天ぷら用(天ぷら粉)
薄力粉、コーンスターチ、ベーキングパウダー等が原料。

パン粉

パン粉
パンを粉状にしたもの。
パンをほぐしてすぐ使う「生パン粉」、半乾きできめの粗い「半生パン粉」、乾燥させた「乾燥パン粉」がある。
フライの衣や、ハンバーグのつなぎ等に利用する。

うどん・そうめん類

中力粉に水と塩を加えてよくこね、線状に細長く成形したもので、太さによって名称が異なる。

うどん
中力粉に水と塩を加えてよくこね、生地を細長い線状に切ったもの(直径1.7mm以上)
手打ちは機械を使わずにすべてを手作業で行う。
干しうどん
生うどんを乾燥させ、常温で長期保存できるようにしたもの。
そうめん
うどんとほぼ同じ原料で同じように作る。
中力粉に水と塩を加えてよくこね、生地を細長い線状に切ったもの(直径1.3mm未満)
ひやむぎ
うどんとほぼ同じ原料で同じように作る。
中力粉に水と塩を加えてよくこね、生地を細長い線状に切ったもの(直径1.3mm以上1.7mm未満)

中華めん類

中華めん
中力粉にかんすいというアルカリ性の溶液(炭酸カリウム・炭酸ナトリウムの混合物)と水を加えてこね、麺状にしたもの。
かんすいは弾力性と滑らかさを強めて独特の食感を作る。また、小麦粉のフラボノイド系色素がアルカリ性に反応して黄色っぽくなる。
中華めんの縮れは麺状に仕上げてからつける。
蒸し中華めん
中華めんを蒸したもの。
焼きそば等に使う。
沖縄そば
別名:沖縄めん。
そば粉を使った麺ではなく、木灰(草木を焼いて作られた灰)を水に溶かした上澄み液(あく)やかんすいで小麦粉を練った生地で作ったもの。

マカロニ・スパゲッティ類

小麦粉に40~50℃の温湯を加えてこね、成形したものを「パスタ」と総称する。
乾燥タイプと生タイプがある。

スパゲッティ
イタリア語の“ひも”を意味するspago(スパーゴ)が語源。
太さ1.2~2.5mm。
1.6mmのものをスパゲッティーニといい、最も多く使用される。
カペリーニ
“髪の毛”という意味。
太さ1.0mm前後の極細タイプ。
タリアテッレ
幅が広いパスタで、原料のセモリナ粉に卵を加えている。
幅の違いにより、フィットチーネ等、呼び名が変わる。
エリーケ(フジッリ)
らせん型のショートパスタ。
スピラーレ、エリコイダーリ、フジッリと呼ばれることもある。
コンキリエ
ショートパスタの一種。“貝殻”という意味。
肉や野菜を詰めたりする。少し小さいコンキリエッテ、さらに小さいコンキリーネはサラダやスープの浮き実にする。
ファルファーレ
蝶の形をしたショートパスタ。
中心部分と外側のゆでてからのかたさの違いを楽しむ。
ペンネ
“ペン先”という意味のショートパスタ。
円筒状のパスタの両端をペン先のように斜めに切り落とした形をしている。
マカロニ
管状パスタの総省で、さまざまな種類がある。
リガトーニ
直径1㎝ほどの管状で筋があるショートパスタ。
ルオーテ
“車輪”という意味のショートパスタ。ロテッレとも呼ばれる。
ラザニア
パスタでは最も大きな部類に入る板状のパスタ。
ミートソース等数種類のソースと交互に重ね、オーブンで焼く。

麩(ふ)類

小麦粉のたんぱく質(グルテン)から作る加工品。
【種類】生麩・焼き麩・油麩
【調理法】椀種、煮物、和え物等。

生麩
強力粉や中力粉に水と塩を加えて十分にこね、でん粉を取り除いて蒸したもの。
焼き麩
生麩にでん粉や膨張剤を加え、焼いて乾燥したもの。
釜焼き麩:小町麩や花麩当の一般的な焼き麩のこと。
板麩:生麩を板に塗りつけて焼いて加工したもの。庄内麩ともいう。
車麩:棒に巻き付けて焼き、切り口が車輪のように見えるもの。
油麩
別名:仙台麩。
グルテンと小麦粉を練り合わせた生地を棒状にして油で揚げたもの。
輪切りにして、汁物・煮物・油麩丼等にする。
宮城県北部の登米地方の地域伝統食品。

うるち米製品

上新粉
精白したうるち米を水に浸けてから粉砕し、乾燥したもの。
粘り気はあまりないが、しこしこした歯ざわりがあり、主にだんごや草もち等の和菓子の材料に用いる。
米粉
別名:パウダーライス。
精白米を非常に細かく製粉した微細米粉のこと。製粉技術の向上によりつくられるようになった。
小麦粉に比べて水分が多く、同じ量でもカロリーが低い。また、小麦粉と違って粘りのもととなるグルテンを含まないため、パンや麺の生地を作ったり、パンを膨らませたりしにくかったが、粒子が細かくなったためにたんぱく質や脂質となじみやすくなり、パン・麺・ケーキ等にも利用できるようになった。
グルテンを含まない利点として、粉どうしがくっつきにくいため、ダマになりにくい・粉をふるう必要がない・溶けやすい等が挙げられる。
ビーフン
うるち米を水に浸けてから製粉機にかけてペースト状にし、蒸したものを練って熱湯中に麺状に押し出してから乾燥したもの。
中国や台湾の特産品。湯で戻してから炒めて焼きビーフン等にする。
ライスペーパー
別名:生春巻きの皮
米粉と水をよく混ぜ、湯をわかした鍋にはった濡れ布巾に流して円形に薄く伸ばし、透明になるまで蒸しあげたもの。
市販の乾燥品は、水にさっと浸けてから使う。水で戻すとでん粉がすぐにα化して食べやすくなる。
米こうじ(米麹)
蒸し米にコウジカビを繁殖させて作ったもの。糖化力が強く、清酒・甘酒・米みそ・米酢・みりん・しょうゆ・漬物等に用いる。
きりたんぽ
炊いたうるち米を、米粒が多少残る程度に潰し、杉の丸串につけて手で形を整えて焼いたもの。
やり先につけるたんぽに形が似ているため、この名が付いた。
串を外して斜め切りにして鍋物に入れるきりたんぽ鍋は秋田県の郷土料理。

もち米製品

もち(餅)
もち米を蒸してから、粒がなくなり粘り気が出るまでついたもの。
地域によって、のしてから四角く切る角餅、丸く形づくる丸餅がある。
関東は角、関西は丸が一般的。
赤飯
別名:おこわ、こわめし。
あずきやささげを煮た汁にもち米を浸して色をつけ、煮たあずきやささげを混ぜて蒸したもの。
白玉粉
水に浸したもち米に水を加えながら挽きつぶし、脱水して乾燥したもので、粒が細かくなめらか。
寒中に作ったことから「寒ざらし粉」ともいう。だんご等に利用する。

米ぬか(米糠)

米ぬか
玄米を精白するときに出る副産物。
米ぬか油の原料、漬物の床、きのこ類の栽培用培地、家畜の飼料、肥料等に利用される。
【栄養成分】脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれる。

そば(蕎麦)

そば粉
そば米
そば(蕎麦)

あわ(粟)

あわ(粟)
イネ科。
日本では稲よりももっと古くから栽培されていたといわれる。江戸時代には、うるち種は一般の人々の食材、もち種は上流階級の食材であった。
【種類】うるち種ともち種がある。
【調理法】うるち種:飯・かゆ・だんご・もち・菓子等。もち種:飯・もち・粟起こし・飴等。

えんばく

えんばく
イネ科。別名:からす麦、オート、オーツ。
製粉し、小麦粉と混ぜてパン・菓子・シリアル・ウイスキー等に利用する。
オートミール
えんばくを精白し、延圧機で押しつぶして粉砕したもの。
【栄養成分】穀類の中ではたんぱく質・脂質・カルシウムが豊富。
【調理法】一般に水や牛乳でかゆ状に煮て食べる。

大麦(おおむぎ)

大麦(おおむぎ)
イネ科。
世界的に見て、小麦・米・とうもろこしについで生産量が多い穀物。
グルテンがなく粘り気が生じないため、パンには適さない。
【種類】日本では六条大麦と二条大麦が代表的な品種。二条大麦はビールの原料となるため、ビール麦ともいう。
【調理法】六条大麦は麦飯・押麦・米粒麦・大麦麺・麦こがし・麦みそ・麦茶・酒等にする。
押麦
精白した大麦(丸麦)を蒸気で加熱し、ローラーで圧力をかけて扁平状にして乾燥させたもの。

キヌア

キヌア
ヒユ科の雑穀。白・赤・紫・オレンジなど多色。
21世紀の主要食として評価されている。
【栄養成分】ビタミンB類、葉酸等が豊富。
【調理法】ほかの雑穀と一緒に炊く、粉にして利用する等。

きび

きび
イネ科。
日本ではきびだんごやきびもち等、古くから親しまれてきた。
【種類】うるち種ともち種がある。
【調理法】うるち種は飯・かゆ等に。もち種はもち・おこわ・だんご・酒等にする。

とうもろこし

とうもろこし
イネ科。別名:とうきび。
必須アミノ酸のトリプトファン、リシンが少なく、たんぱく源としては期待できない。胚芽からはコーン油が採油される。
南米アンデス原産。日本には16世紀に伝来。
とうもろこし粉に石灰・塩を加えてこね、薄く伸ばして焼いたトルティーヤはアンデスの主食。味付けしたひき肉や魚・野菜などをトルティーヤで巻き、チリソースをかけたものがタコス。

ぎょうざの皮

ぎょうざの皮
小麦粉(強力粉)を水でこねてのばし、丸く成形したもの。
手作りの場合は、こねた生地をちぎって小さなめん棒で丸く伸ばして成形する。

しゅうまいの皮

しゅうまいの皮
同量の強力粉と中力粉から、水でこねてのばし、四角く成形したもの。

春巻きの皮

春巻きの皮
小麦粉・塩・水をよく混ぜた生地を、加熱した鉄板等で焼いたもの。正方形の製品が多い。

ピザ生地

ピザ生地
イタリア料理のピザの台となる生地。
小麦粉・塩・植物油・イーストで作った生地を発酵させ、薄くのばしたもの。
ピザの発祥はイタリアのナポリで、ナポリのピザ生地の特徴は、ふっくらとやわらかくふちが厚いこと。イタリアでも北部では薄くてサクッとした生地が一般的。ピザクラストともいう。

ちくわぶ(竹輪麩)

ちくわぶ(竹輪麩)
強力粉・水・塩を練った生地を何度ものばし、棒に巻いて型に入れて茹で、水に浸けてやわらかく仕上げたもの。

冷麺(冷めん)

冷麺(冷めん)
小麦粉・片栗粉・塩・水を練り合わせた生地を、小さな穴をあけた型から高い圧力で押し出して麺状にする。生地を切って麺状にするものもある。
コシが強く噛み応えがあり、つるっとした麺で、冷たいスープとキムチ等を組み合わせて食べる盛岡の名産品。
関西地方で冷めんと呼ぶ「冷やし中華」とは別物。韓国料理の冷めんは、そば粉とでん粉が原料。
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